抄録
有機EL技術を用いた照明システムの特徴を、従来にはない光の質や光の演出の可能性にあると考え、本質的なリラクゼーション空間をデザインするため和の空間との関係性を探り、組み立て可能な仮設空間への展開を試みた。
本研究の目的は人の生理機能を重視し、照度・輝度を必要以上に求めないという考えかたに立って快適な光環境を提供する製品を開発することである。
研究方法は防音実験室での有機ELのい色彩と駆動方法の快適性の評価をもとに、具体的に有機ELを用いた空間をしつらえ、段階評定法によるアンケート調査を行い快適性の評価を検証した。
空間を具体的にしつらえる過程で、いくつかの提案を行い、日本の伝統的空間である茶室の構成要素を選択した。
光の表現では「光をみせる照明」という方向性を見出した。和の空間では、光をみせる暗さの照明環境から有機ELと和の空間の融合をテーマとした。
段階評定法によるアンケート調査の結果は「暗闇でも安心する光」など8割は高評価であった。一方、低い評価の理由は、暗さに関する意見が主だった。
今後は自然のうつろいやゆらぎ、きれいな暗さをデザインし、明暗を楽しむ照明環境も必要であると考えられる。