抄録
本研究は、高架橋の構成要素と景観との関係性を見直し、設計における着目点と方向性を示すことを目的とした。まず、高架橋を構成する印象を抽出するために文献調査を行った。そこで抽出した8個の評価語と景観の良し悪しについて印象評価実験を行い、高架橋の景観構成要素が印象評価に与える影響度を探るため、相関分析と数量化理論_I_類を用いて分析した。その結果、人々が景観を判断する際には、橋梁単体の形態要素と視距離が最も重要となることがわかり、デザインの重要性を確認した。また、これまで着目されてなかった視距離に関して、実験計画法を利用し、影響度を調べた。その結果、高架橋における印象や景観の良し悪しは視距離と桁下高に大きく影響されることがわかった。桁下高は8~15m、高架橋の幅員が2車線の場合には視距離が15m以上が良いことが明らかになった。以上のことから高架橋の景観設計の新たな着目点を得ることができた。また、より良い景観の創造のためには、個別の形状検討に留まらず、都市計画や道路計画の段階で対処しなければならないことがわかった。