抄録
本研究では、水族館を題材として制作したシミュレーションコンテンツを用いて、子供たちが積極的に観察学習を行えるような学習プログラムを検討する。子供たちが体験を通して学習をするためには、繰り返し学習や試しながら学習するということが重要になってくる。そこで、繰り返し学習や試しながら学習できる環境として、シミュレーションコンテンツを用いた学習プログラムを設計した。設計した学習プログラムをもとに、新江ノ島水族館の併設施設であるなぎさの体験学習館において、ワークショップを行い、シミュレーションコンテンツを用いた学習プログラムの有用性について検討を行った。今回は、観察した結果をペーパークラフトのモデルを制作して表現をするという課題を設定し、ワークショップを実施した。その結果、子供達の気づきや発見を促し、繰り返し学習や試しながら学習する環境に、シミュレーションコンテンツは有効であることが分かった。また、ペーパークラフトのモデルを制作することで、魚を立体的に、様々な角度から観察する視点を促すことができ、学習プログラムとしても有効な手法であったといえる。