抄録
イギリスの人類学者エヴァンズは1900年にクノッソスにある古代ミノクスの宮殿で、二世紀または四世紀と云われる迷路の原型が画かれたクノッソス貨幣の出土を発掘した。このクノッソスの迷路はその後世界各地から出土品や遺跡として現われた。代表的な迷路はフランスのシャルトル大望堂の床に描かれたモザイクであり、北欧では石で庭に画かれた迷路が各地に見られる。これら迷路の成立過程や存在理由は民族の神話や伝説であったり、神話学的解説や学術的定説は未だに不明である。迷路は入り口から中央の終点まで迷うことない一本道だが、途中はくねくねと迂回する曲折模様や螺旋状を示している。その形状はクノッソス貨幣の迷路の原形を伝承するもので、このようなクノッソス文化形態は日本では全く見ることができない。