抄録
本研究は、製品システム開発の手法であるヒューマンデザインテクノロジーを用い、人間工学データに基づいて木製トレーニングチェアのデザイン提案を行うものである。このトレーニングチェアは60~70歳代の高齢者がメインターゲットであり、筋力の低下による転倒防止を防ぐためのものである。現在製品化されているトレーニングチェアの問題点やユーザリクアイアメントを、3Pタスク分析やインタビューを用いて抽出した。ターゲットユーザに許容範囲測定法を用いて椅子の座面高・奥行・座面角度・背もたれ角度・肘掛の高さ・肘掛の位置についての許容範囲と最適値を抽出し、寸法を決定した。また実験と並行して着座動作・起立動作をビデオカメラで撮影し動作解析を行い、身体運動学の観点からも検討を行った。そして、実験から得られたデータと構造化コンセプトに基づき新しい椅子のデザインを提案し、試作機を作成した。作成された試作機についてターゲットユーザにイスの寸法や使い勝手についての妥当性確認(validation)と検証(verification)を行い、デザイン・寸法を修正し最終的な提案を行った。