抄録
本研究は,ユビキタス情報社会において,日常的に多様なコンピュータシステムに接することが増える中で,今後さらに重要性が高まるであろうヒューマンインタフェース(以下インタフェース)の有り様について,過去の研究開発の動向調査から得るため,17年間のWISS研究発表会プロシーディングの分析を行った.その結果,インタフェース技術開発として,①ディスプレイ上での情報空間可視化インタフェース技術,②ネットワーク環境下の協調・共同作業インタフェース技術,③マルチモーダルの直接操作インタフェース技術,④実世界指向インタフェース技術,⑤情報検索(文字,音楽,画像)インタフェース技術の5つの大きな流れと,それらが目指す,①思考・発想能力を支援するインタフェース,②身体・感覚能力を支援するインタフェース,③心理的正効果(安心・楽しさ)を支援するインタフェースの3つの目的を明らかにした.この目的は,コンピュータ操作の身体的・認知的エネルギー負荷を軽減し,心理的な充足感,つまりは近似的な幸福感を生じさせることを指すと解釈すれば,これらの中に,誰もが「使ってみたい」と感じるインタフェースの要因が含まれると言える.