抄録
製品設計において,テクスチャは感性品質に影響を及ぼす重要な要素である。デザイナは,テクスチャの工学的特性やコストはもちろん,粗さや滑らかさなどの触感を考慮してテクスチャを決定する.しかし,テクスチャに関する定量的な感覚的情報を取得することは困難である。その原因の一つに触察方法によって得られる触感の知覚内容が変化することがあげられる。そこで,アクティブタッチ(能動的な触運動を伴う触察)によって触知覚が変化する条件およびその原因を明らかにする必要がある。本研究では,人差し指の腹による左右のなぞり動作に着目し,JIDA Standard samples の中の8つのプラスチックテクスチャサンプルを使用して感性評価実験を行った。その結果,触察時の速度および押圧が触感知覚に影響を及ぼすことがわかった.また,平滑面に比べ表面に凹凸を有するサンプルにおいて効果が顕著であった.これは,指先に存在する機械受容器の特性や,振動刺激や摩擦といった指とテクスチャ表面の間で生じる物理現象に起因すると考えられる。