抄録
1920~1930年代、日本への導入当初の構成は、抽象的な形態を用いた反復演習に主眼を置く。それはモチーフを抽象化する従来の図案教育とは異なるため、対比や反対語などを用い、イメージから形へと定着させる工夫がされていることが認められる。しかし、抽象形態を用いた演習が一般化し定着すると、形や色彩を複合的に用いた平面構成演習が増え、更に1970年以降のデザイン教育の細分化に伴い、逆に各デザイン領域に合わせた具体的なモチーフやイメージを強く表現する構成演習も行われるようになる。これらの変化は、1つ1つの造形要素や秩序を掘り下げ感覚演習を繰り返すことにより造形力の向上をはかるという構成の特徴と利点を消す要因になっている。
対比を用いた教材は、今日でもデザインの基礎教育として利用され、コンピュータ上でのイメージ演習、絵本、ピクトグラム制作にも応用されている。これは視覚伝達の善し悪しを自身で確認できることは利点となるが、その効果を求め過ぎる傾向もある。イメージに繋げることに固執し過ぎずに、形や色のはたらきをシンプルに演習することにより、応用力を身につけるための基礎教育を行うことも必要であると考える。