抄録
現状の吸入器は、肺内への到達率が低く薬剤の多くが口腔内や咽頭部に沈着し、口腔内カンジダや嗄性の原因になっている。また患者が使用方法を充分に習得できない例や、変化する患者の体調により吸入量が安定しないため使用効果が不安定である。よって患者にとって低負荷で高効率に働く吸入デバイスの実現が望まれる。本研究では、成人健常男性を被験者とし解析をすすめた。上気道への薬剤沈着軽減に関しては一定の効果が期待できるものの、下気道への有効性については今後の課題となる。本研究においてヒトの呼吸器系の抽出が完了したので、光造形機等を用いて呼吸器系モデルを作成することが可能となった。モデルを作成することができれば、実動シミュレーションを行い、その結果を解析にフィードバックできる。吸入デバイスの実現に向けて、相互からのアプローチが可能となる。 呼吸器系は幾何学的に複雑形状をしており、またヒトのとり得る反応や動きを事細かに再現するのは非常に困難である。それらを解決していくため、様々な条件を解析に組み込み、継続的に研究を続けていく事が必要である。