顧客のサービス利用経験を、視覚的に表現する代表的なツールとしてカスタマー・ジャーニー・マップ(以下CJM)がある。CJMは、サービスの特性を明確に捉え、デザインの要所を特定できるため、サービスデザインのツールとして有効に活用できる。一方で、CJMの記述形式には特定の型が存在しておらず、記述の方針を決めるために多くの検討時間をかける必要があった。そこで、筆者らはCJMの記述形式を類型化できれば、CJMを利用する目的に合わせた記述がしやすくなると考え、分析を行った。その結果、3つ「記述レイアウト」と、2つの「記述視点」を見出すことができた。顧客の経験をわかりやすく記述するためには、これらを意識して書き分けることが有効であると考えられる。