抄録
本作品は、学校等で常時は本や身の回りの物を収納する「棚」が、災害時に避難所となった際には「間仕切り」として、機能を転換することができる緊急時転用家具である。転用方法が明解な設計が特徴で、各部材はスリット同士のはめ込みで自立でき、使用される金具もプラスドライバー1本で加工できる。東日本大震災は、避難所となり得る日本の公共施設が常時と非常時に対応可能な2重の役割を持たなければならないことを明らかにした。そうした責任を背負う公共施設において、本作品は非常時には組み替え機能を転用させることで生き抜く環境を自ら作り出すシステムを持っている。この什器を防災訓練等の学校行事で必要となる展示パネル等に変える経験を持つことで、空間の転用可能性について学び、防災意識の向上が期待できる。