抄録
倉敷市玉島地区に残された茶事空間と玉島港の周辺の19世紀後半から現在に至るまでの地図や風景描写内容を比較した.その結果,19世紀に高台に建立された茶事空間は瀬戸内海を背景にした玉島港周辺に広がる水辺の風景を大きく取り入れていることを把握した.また20世紀になり市街地の拡大によって水辺が埋め立てられると,茶事空間は水陸の交通の要所となった堤防埋立地に建立され,緑の景色を大きく取り入れていることを把握した.これまでの備中玉島地区に残された茶事空間は,瀬戸内海を背景にした玉島港周辺に広がる水辺の風景など自然の風景を大きく取り入れていたことを明らかにした.