抄録
本研究は、竹林が放棄されている現状に着目し、竹材を染色することによってその価値を向上させることと、竹林の放棄を抑止することを目的とした。そこで、水とメタノールを溶媒として減圧による方法によって竹材を染色した。水を溶媒として用いた場合は竹桿の維管束のみを染色することができた。一方、メタノールを溶媒として用いた場合は、竹桿表面や維管束および柔細胞を含む竹全体を染色することができた。さらに、染色した竹桿を用いた効果的な表現手法について試作と検討を行った。試行錯誤の結果、竹材を交互および平行に積層して積層材に加工することが有効であることが確認できた。また、竹材に曲げ加工を施すことで、湾曲染色竹積層材を作り出すことができた。ついで積層材に加工した染色竹材を用い、椅子部材を制作した。これにより提案した染色竹材が家具材として適用できる可能性が示唆された。