抄録
近年,情報環境におけるインタフェース機器の高性能化及び低価格化,開発環境におけるFOSS の普及等,ハードウェア,ソフトウェアともに様々な新しい展開を見せている.しかしこれらの情報技術は,開発の当初こそ社会の幅広い分野に対する利活用を提言していたにも関わらず,その実用的な展開が普及する前にさらに新しい技術へと関心が移行しており,他分野での十分な活用がなされているとは言えない. 本研究は,開発環境としてゲームエンジンを,インタフェースとしてHMD を用いることによって,景観計画に資する安価で高品質な都市空間シミュレーションシステムを開発するものである.本稿では,景観計画に基づくまちづくりが行われている茅ヶ崎駅北口周辺特別景観まちづくり地区(神奈川県茅ヶ崎市)を研究対象地区とした.本稿で作成した都市空間シミュレーションシステムは,空間構成要素の条件を容易に変更可能なものであり,事業者,近隣住民,行政の間でイメージの共有をはかるツールとして,一定程度有効であると思われる.さらに,NPC による動的なテンポラリー要素を配することで,より実態に即したシステムを作成することができた.