抄録
本研究は、重症心身障害児・者の入浴補助具のニーズ調査および在宅介護用の入浴補助具の開発について報告する。 重症心身障害児・者の入浴の目的は、一般的な「身体保清」や「リラクゼーション」以外に「血液循環を促進し新陳代謝を高める」、「低体温症の対策」、「呼吸・排痰の促進」、「全身の観察」等の目的がある。シャワー浴に比べて湯船につかることの方がその効用は多いが、浴室環境の制約や障害児・者の身体的な特徴から、湯船につかる入浴が困難な事例が多く、介護者の身体的な負担も大きい。これに対して公費補助の人的支援と物的支援のシャワーチェアや移乗リフト等があるが、これらの方法で入浴の困難さが解決できる事例もあるが、様々な理由から解決にならない事例も多い。本研究では、この問題解決にあたり、ベビー用バスタブの形状イメージで小学生サイズの簡易浴槽であれば、身体的にも安全で、環境的な問題も解決できるという仮説をたて研究を行った。当センターで実施している臨床工学サービスに基づく開発プロセスによって、本研究のような個別性の高い重症心身障害児・者のニーズに応える開発が行えると考えている。