抄録
今日さまざまな場面で「ワークショップ」(WS)という手法が採られているが、どのようにすればWSにおいて教育効果を高めることができ、またいい成果を 得られるのであろうか。本稿ではWSのプロセス設計に着目し、多数のWSの全体プロセスの記録・可視化手法を開発し、分析する。プロセスの記録は「京都大学サマーデザインスクール2015」(SDS)において、28のWSを取り仕切る実施者に依頼して行なった。所定の用紙に、3日間のWSの時間軸に沿って、行なった活動の概要を記してもらう形式である。この記録内容をもとに、input / ideation / output / othersという大分類と、下位の細分類から成る14のカテゴリにすべての活動単位を振り分け、時間軸上にプロセスを可視化した。さらにこの可視化結果から、outputの重視度合いとプロセスの複雑さに関する指標を抽出し、WSに対する参加者の満足度と成果に対する投票数という2つの評価指標との間で相関分析を行なった。結果、SDSの条件下では、outputを重視し、シンプルなプロセスを取ったWSほど高い評価を得る傾向があることがわかった。