抄録
演者らの研究グループでは心理学実験を用いて食品・医薬品の表示デザインを評価・検証している。眼球運動計測を含む一連の実験を行った結果、消費者は記載された情報をよく見ないまま商品を選択していることが示唆されたが、このような行動が生じる背景として「デザイン」と「見る側の心理」の双方に問題があると演者らは考えている。例えば一般用医薬品外箱に記載されたリスク分類表示は視覚的効果を強調して誘目性を向上させることによって消費者の注目度を向上させることができることから、デザインの問題を示す1例であると考えられる。一方、消費者側にはブランドの特性を十分に理解しないまま過度のブランドに頼った商品選択を行う傾向や、最初にブランドのロゴに注目した消費者はその他の記載項目をよく読まなくなる傾向が見られた。これらの問題はわかりやすいブランドのシンボルに過度に頼って商品を選択しがちな消費者の問題が存在すると考えられる。最後に、「知識・情報活用型消費者行動促進のための情報デザイン」について考察を行った。