抄録
この報告は実際の仕事をつうじてデザインの能力を身につけさせるという教育方法のありかたを探るものである。現在のデザイン教育は、どうしても特定の教師と学生達との閉じた関係での営みとなり、クライアントに対してのデザインとして学生が認識しづらい。誤った自己表現での競い合いに陥ることなく、かつての徒弟制度的な良さを教育の現場でどう取り込むかを検討する必要がある。ここでは、洋菓子屋の新店舗にかかわる一連のデザインを学生チームの指導に活用した事例をとりあげている。そこで得た重要な点は、学生達に学びマスターさせる内容を事前に明確にした上でデザインの指導することである。単に作業させるだけでは本来のデザインの思考方法や造形的なスキルの向上を身につけさせることは出来ない。