抄録
本研究では、東京都の多摩市役所が主催した「わがまち学習講座」において、まちづくりの担い手がつくられていく過程でステークホルダー(市職員、ファシリテーター、住民)の関係性がどのように変化し、まちづくりの担い手がどのようにつくられていくのかをアクターネットワーク理論によって明らかにする。わがまち学習講座とは、多摩市役所が行った、新しいまちづくりの担い手の養成講座である。実際に講座に参加し、調査した結果以下のことが分かった。(1)講座内容の性質によって講座に参加する人が選別され、「講座の参加者」として可視化された。(2)ステークホルダーの講座に対する異なる翻訳によってネットワークが形成された。(3)ファシリテーターは住民と自治体の間に入り、両者の立場を両者に翻訳する役割を果たした。