抄録
高度に発達した通信テクノロジーが日常的なコミュニケーションを支えている。絶え間のない連絡を可能にしたことは、ノマドワーカーといった場所に縛られない新しい働き方を生み出した。その反面、スマートフォンに生活を縛りつけられ、コミュニケーションが希薄になった人もいる。それは、あらかじめ用意されたスタンプを送るだけの自分の意思が伴わない速さだけの受動的なやり取りが当たり前になったためである。
一方、社会では共創の機会が増えており、自分の意思を伝えることが求められている。しかし、客観的な意見を重要とする日本の社会の中では、主体的に発言することに多くの人が慣れていない状態にある。このような状況において、グループ活動のための意図的な場を用意する必要があると考えた。本稿では、場づくりを「きっかけのデザイン」と名付け、活動をはじめるための場づくりと、それを支えるツールのデザインの特性について考察する。