すべての物事には始まりと終わりがあると考える。私たちの生活の中にもその始まりと終わりが存在している。たとえば新聞紙は購入することが始まりで、読み終わりリサイクルに出すことが終わりである。この一連の流れを”ものごと寿命活動”と呼ぶことにする。新聞紙の”ものごと寿命”は歴史的に文化が出来上がっている。それゆえ私たちは違和感を持たずに新聞を読むことができる。花と人との関わりにおけるこの”ものごと寿命”のことを考えたとき、私は疑問を抱いた。
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; 花と人の関わりでは、始まりは渡す人に向けて感謝や愛情、謝罪などの気持ちを表すことである。そこでは、包装紙やメッセージカードなど、豊かな"ものごと寿命"のかたちがされていると感じた。一方、花と人の関わりの終わりはさみしい。枯れた花を花瓶から出してゴミ箱に捨てる。「終わり方」のかたちはまったくデザインされていないのだ。枯れた花を捨てることを躊躇し、とても悲しい気持ちになる。そんな体験から私は、花との終わり方のかたちをデザインしたいと考えた。