今日の日本においては、伝統的なものづくりの価値が十分に認識されずに潜在化・消失する傾向にある。本稿は、伝統的打刃物の特質の記録・分析に基づいて、千葉県における伝統的鍛冶文化にみられる人びとの関係性を明らかにし、概略を報告するものである。伝統的打刃物の材料・燃料の調達、製作や流通は、かつてから今日に至るまでどのように変容してきたのかを記録し、得られた結果に基づきステークホルダー分析を行った。この分析に基づき、以下の結論を得た。地域社会において育まれた生活の知恵は、鍛冶職人を通して打刃物となり、生活の場で使われることで、技と経験が積層され伝承された。総じて、伝統的鍛冶を基軸として構築されてきた資源循環型の地域の生活文化の再構築を目指すことが重要である。