本研究は、地域通貨を運営する市民団体蚕都くらぶ・ま〜ゆのメンバーとの協働に基づいて実践した映像づくりのデザイン実践を取り上げたものである。上映会で収集した質問紙調査の結果によって、コミュニティ映像づくりの効果を考察した。結果として、地域の違いや、年齢層の違いにかかわらず、(1)映画に肯定的評価を得た。(2)映画で描写する住民主体のコミュニティのあり方と地域通貨を使用した効果を観客と共有することができた。(3)地域通貨にする新たな認識が醸成され、また、地域通貨への関心と参加意欲を喚起する効果を確認された。今後、蚕都くらぶ・ま〜ゆの新たな活動を記録するコミュニティ映像づくりを継続しつつ、多様な上映活動にいかに取り組んでいくかが課題となる。