筆者はこれまで北東北・北海道を拠点に、農林漁業を営む人びとと共にその土地に根ざして暮らすことの意味を学びあう生活世界ベースのデザイン実践をおこなってきた。一連の実践と、それに応答する人びととの関わりあいの変化を研究してみると、人びとが向きあう社会の複雑さが見えてくる。この複雑さが次の実践の「問い」となり、自らのプロジェクトを自律的に動かす熱源となってきた。このような経緯から筆者は、生活世界ベースのデザイン活動から自らの実践の「問い」を見つけ、研究にしていくゼミナール(以下、ゼミ)実践を試みた。本稿では2019年後期に配属された学生5名(当時3年生)とのゼミ活動を振り返り、3年次のプレゼミ指導において学生が自分の「問い」を持てるようになるまでの学びのプロセスと、4年次の卒業研究ゼミ指導において「問い」を起点とした実践を研究として論述するための方法論的枠組みについて考察する。