2023 年 70 巻 2 号 p. 2_29-2_36
社会的に必要なコミュニケーション能力として情報デザインが重視されている。情報デザインに必要な知識・技能は定義されており、情報デザインの考え方や知識に関する習熟度を評価する仕組みが構築されている。一方、その考え方や知識に基づき表現された制作物に対する一律の評価基準は明確に定められておらず、適切なフィードバックに結びついていないところが課題として挙げられる。本研究では、表現力向上の為の情報構造化課題を設計し、評価要素を抽出、情報教育におけるエキスパートと共に能力評価軸構築の為のルーブリックの設計を行った。更に、設計したルーブリックを授業に取り入れ、改善すべき点や留意すべき点など課題の抽出を行った。その結果、評価者による評価が低い学生は、自己評価と評価者評価の整合性が低く、また一部の評価項目におけるレベルの差を判断できない学生が多数見受けられた。