2024 年 71 巻 2 号 p. 2_17-2_24
近未来の日常生活では、人と複数のロボットが共生すると予想されている。人は複数の機械が動く工場内ではなく、自然のゆらぎある動きの中でリラックスできると考えられている。そのため、これら複数のロボットに自然に近いゆらぎある統合制御を適用して、人が快適に感じるデザインの追求が必要と考え研究目的とした。日本の伝統芸能「能」の拍には自然に近いゆらぎがあり、能楽師の演出が加わった人工的な緩急の大きい絶妙間の拍と、自然に近い緩急の少ない定間の拍がある。本研究では、先ず「能」の絶妙間と定間に西洋の「クラシック音楽」を加えた3つの拍の差を検証した。その後、複数のロボットが動く近未来の生活空間を想定したCG映像を、能(絶妙間、定間)とクラシック音楽の拍による統合制御で、人が快適に感じるかを検証する比較実験を行った。実験結果から、能の拍はクラシック音楽より顕著に不規則であることと、クラシック音楽より能の拍を適用した複数のロボットが動く生活空間のCG映像を人々が受容する傾向にあることを明らかにした。