デザイン学研究
Online ISSN : 2186-5221
Print ISSN : 0910-8173
ISSN-L : 0910-8173
環境構造センター・セミナー論文集(1967) の分析
― パターン・ランゲージの誕生(6)
古川園 智樹
著者情報
ジャーナル フリー

2025 年 71 巻 3 号 p. 3_41-3_50

詳細
抄録

本論文では,Early and Unpublished Writings of Christopher Alexander“Chapter 6. Center for Environmental Structure seminar report, excerpt, 1967”の分析を行った。分析の結果,以下の重要な事実・知見が明らかになった。(1)Chapter 6 は,環境構造センターが誕生した1967 年に,環境構造センターが開催したセミナーの論文集(1967CES セミナー論文集)である。(2)1967CES セミナー論文集は,Paper 1,Paper 2,Paper 3,Paper4,Paper 5,Paper 6,Paper 6A の7つの論文から構成されている。(3) 書籍は,1967CES セミナー論文集のPaper 1 とPaper 2を収載しているが,欠落頁が存在する。(4) UC バークレー図書館に所蔵されているPattern manual は,1967CES セミナー論文集のPaper 1 とPaper 2 であり,欠落頁を補充できる。(4)1967CES セミナー論文集のPaper 1 とPaper 2,およびCES ブローシャーの分析から,シム・ヴァンダーリン(Sim Van der Ryn)は環境構造センターの誕生に深く関与していたと考えられる。(5)アレグザンダーとヴァンダーリンは,後年においてもお互いに好意的に参照していることから,理論的・哲学的にも近い立場にあったと考えられる。

著者関連情報
© 2025 日本デザイン学会
前の記事 次の記事
feedback
Top