外国人が日本語科学技術文献の読解技能を習得するためのコース設計において、読解に関するストラテジーの研究は重要である。とりわけ科学技術論文では問題、目的、方法、結果を確実に読み取る必要がある。本稿では、Meyerらのテキスト構造に関する研究成果をもとに、科学技術論文のテキスト分析することにより、内容の構造を指摘する語句(signaling)を抽出し、その分類を行い、signaling援用による日本語読解のストラテジーを考察する。しかし、一般の説明文とfindingをその中心的伝達目的とする専門文献とでは明らかに異なる構造を有すると考え、signalingを日本語科学技術論文読解に応用するために、科学技術論文独自の内容の構造を提案する。また実際に実験調査を行うために、signalingのタイプ分けを行った。