抄録
力のつりあい,落体の運動,衝突,運動の法則とつづく高等学校1年時における一連の実験/探究活動は,運動の量に関する概念形成の柱という点で互いに緊密に関係しあっている。実験と取り組んだ生徒にとっては,自由落下で重さ,完全非弾性衝突で質量,また,運動の第2法則では変化する速度と力の役割がそれぞれことさら強く印象づけられる。各学習段階で先行経験を重視した概念形成のプログラムを組む必要性を痛感するところである。質量と速度を重要な「運動の量」と位置づけて「力」との関係に着目させる授業展開の実践と分析結果を紹介する。