抄録
初・中等教育を踏まえた情報教育のあり方を独自に検討し, より化学系専門へ踏み込んだ教科書を作成してカリキュラム上での対応を研究した。この教科書作成の際, 絵図を多くして数式を極力少なくして, 視覚的に理解を深められるようにした。数学的な取扱い方は, 理論の理解ではなく, 数値解析的な手法を如何に上手に利用して, 化学課題となる問題を解決する能力を身に付けさせるかを教育目的としている。本校物質工学科では, 従来「情報処理」には4単位を課していたが, 2単位に減らして, 高学年に「情報化学」を新しく2単位開講している。はじめの情報処理では, 中学校での情報基礎を踏まえた情報教育を実施して, あとの情報化学では, より化学系の専門分野のコンピュータ利用を実践するようにカリキュラムを構築している。