抄録
総合的な学習の完全実施を目前に控えて、その学習内容や展開のあり方が各地で議論され、先行的な実践研究も行われている。この3年間に関わった先行的な総合的な学習のあり方を探る実践研究において、児童・生徒の諸能力の的確な把握が、その成否を左右することを感じた。そこで、製作活動がその多くを占める生活科学習を対象として、児童の基礎的な製作技能の調査方法を追究した。また、児童と教員の製作技能についての認識を調査することによって両者にずれが生じていないかを明らかにしたいとも考えた。調査は、製作技能についての認識を聞く一方、実際に製作をさせてその完成度をチェックするという方法で行った。その結果、1〜2年生の段階では「物の接合」などについては完成度は高いものの「ハサミなどで形を切る」については、完成度は低かった。また、それらの技能に関しての児童の認識は甘い点がみられた。それらに対する教員の認識には正確な部分とそうでない部分があった。