抄録
ほぼ10年ごとに改訂されてきた文部省学習指導要領(以下、指導要領と呼ぶ)は、中間発表の時点で各専門分野の学者や小中高の学校教員らから、各分野の研究学会の声を背景に新指導要領の批判、意見具申や、十数万枚に上るハガキ投書作戦等で猛運動が展開されたりした。本来、学習指導要領は軽々しく修正するなら、文部省当局者において確たる信念に欠けた結果の修正だということを自白しているようなものである。ところが前回の修正作業の中で、多くの批判や意見が具申されたものとして「生活科の新設」と、家庭科の時間増の要請があったといわれている。