抄録
平成14年度から総合的な学習の時間が完全実施された。この学習を支える基本コンセプトは、知識を教え込む教育から、自ら学び自ら考える教育への転換を行うことによって子どもに生きる力を育成することである。長崎県における平成8年度からの小・中・高等学校での先行実践研究に関わる中で、総合的な学習に果たす教科、特に理科の役割を考えてきた。この中で、両者の関係を密にし総合的な学習の発展・深化には、次の段階が必要と考えた。①コミュニケーション能力の育成 ②情報検索及び情報収集能力の育成 ③多様な価値の認識と自己の確立 ④テーマに沿った既習知識及び概念の総合的な活用能力と解決に向かう態度の育成 ⑤成就感をバネにした新課題発見と教科(理科)学習への意欲の創出