抄録
本研究は、全米科学教育基準が示す学習内容の配列を、概念形成という視点から分析することを目的とする。概念の分析の視点として、知識的特性、実体-エネルギー概念特性、質的-量的概念特性、微視的-巨視的概念特性を取り上げた。その結果、学年段階が進むにつれ、知識的概念特性、実体的-エネルギー的概念特性、微視的・巨視的概念特性については、操作的定義→概念的定義、状態→構造及び機能、巨視的→微視的にそれぞれ移行していることが明らかとなった。一方、エネルギー概念や量的概念については早い段階から直感的・定性的にでも捉えさせようとしていることが明らかになった。