抄録
本論文は、普通科高校において、現行教育課程移行期に「総合的な学習」の先行実践として取り組んだ環境教育実践を通して、新学習指導要領下でのESDの在り方を考えるものである。本実践は、地球市民の育成をめざし、ディベート、フィールドワークを経て生徒が自ら課題設定・探究活動を行った学習である。この学習経験により環境意識、環境行動に対する意欲の向上がみられ、自己形成にも影響した。本実践から、新学習指導要領下でESDを実践する場合、弾力的な教育課程上の位置づけ、教師の学習観転換、外部との多様なネットワーク構築が必要であると考えられる。