抄録
新領域「資料の活用」の授業において、既存のデータを単に分析処理するだけではなく、問題設定から調査、分析、結論、さらにそれを生かすという先のステップまでを視野に入れることが重要となる。本研究は、このような問題解決型の授業を通常の授業の中で行い、さらに評価するという一連の過程を、授業実践「相関と回帰」をもとに提案する。本実践では、問題場面を設定し、データを与え、分析・処理し、結論を導き、生徒自身に問題設定をさせ、(仮説をたてさせ、実際に授業を通して得た知識を用いて問題解決をさせる)流れをレポートとして生徒自身にまとめさせる(これを本研究では「評価」とよぶ)という形式をとった。結果として、データを自分自身で収集し、それを分析し、結論を導くという授業で行った問題解決過程を振り返ることができたという点で有効であったといえる。