本研究は「青少年のための科学の祭典」(以下,祭典)の来場者に対する効果を明らかにする試みの一環として,平成21年8月に東京の科学技術館で開催された全国大会を対象に実施した調査研究である.祭典が来場者の科学技術に対する興味喚起度,知識獲得度,満足度,さらには科学的リテラシー自信度の醸成に役立っているかについて解析を行った.その結果,科学技術が好きである者ほど,まだ,祭典の取り組みが充実していると感じている者ほど,正の影響関係を見ることができた.また祭典の課題として,各出展ブースにおける取組の中で,質問の時間の確保がされている率が低いとの結果が出ており,今後の改善点を明確にすることができた.