抄録
高等学校の新学習指導要領では、生物学のテーマが「生物の共通性と多様性」になり、大学教育における生命科学の内容が大きく反映されている。その結果、遺伝子・DNAの視点から生命現象を理解するカリキュラムになるが、DNAが生物で共通であるのに対して、その多様性について理解させることは難しい状況にある。そこで、本研究ではDNAの多様性と共通性が実感できる実験開発を目指した。ヒトとゼブラフィッシュのβ-アクチンのDNAをPCRで増幅後、電気泳動にて解析した。同時に自作可能な解析装置の開発についても試みた。その結果、両者のDNAはともにPCRにより増幅されたことからDNAが共通であることが示唆された。一方、電気泳動により検出されたDNA長が異なることからDNAは生物で共通でありながらも多様であることを明確に証明することができた。さらに、自作トランスイルミネーターでは、市販の青色LEDでサイバーグリーンによるDNA検出が可能であることが判明し、LED数と遮蔽板の検討から、低コストながらも検出感度を高めることができた。