抄録
本研究では,科学館職員のキャリア形成に着目し,特にOJTの観点から勤務経験がどのような影響を与えるかについて,日本科学未来館の科学コミュニケーター職を対象に質問紙法による調査分析を行った.その結果,他分野の研究や手法を理解することで得られた視野の広がりや対話力といったコミュニケーション力の高まりが見られ,アウトプットとして顕在化する行動項目以上に,意識・理解,能力の変化が現職へ強い影響を与えているとの認識があることが分かった.また,科学コミュニケーター職に対する職業観では,双方向コミュニケーションやネットワーク構築を重視する傾向が見られ,第四世代ミュージアムとしての機能が,職業観の醸成に一定の影響を与えていることが分かった.