抄録
高等学校理数科は1968年度に職業教育を担う専門学科として設置された。経済発展に必要な新しい人材を育成する政策として出発したが,理科・数学に特化した教育課程を持つこの学科は生徒,保護者,教育委員会からエリート教育をさせるためではないかと危惧されたという。しかし,この理数科という制度の成立過程や学校現場での受容過程についての詳細な研究は今日まで行われていない。本研究はその取り組みの一つとして,理数科の初年度設置校を研究対象とし,各学校がどのような議論を経て,理数科設置を受容していったかを,各学校の学校史等の記述を通して解明しようとするものである。