本研究は,ヴィットマン(E. Ch. Wittmann)の提唱する操作的証明(Operative proof)の概念に着目し,氏の文献を精査することを通して,操作的証明の特徴を考察した.その結果,操作的証明は,「数学的な問題状況の探究という学習活動に統合された証明であること」,「適切に表現された数学的対象に施された操作の結果にもとづく証明であること」という2つの性質をもつものであり,ヴィットマン自身の編纂した初等教育用の教科書『数の本(Das Zahlenbuch)』において,その具体化が図られていることが明らかとなった.