抄録
我々は,数年にわたりマンガテキストを用いたケース教育を実践しており,その有用性についての知見を蓄積してきた.しかしながら,その効果を客観的に測定・評価する方法については,いまだに十分な考察がなされていない.本稿では,マンガ教材の特定のシーンに注目した実験データ,ならびに,ビジネスゲーミング分野むけに開発した実験計画・測定手法に基づき,マンガ教材を使用する学習プロセスを評価する手法について試論を示す.提案手法の特徴は,比較的少数の被験者実験においても複数の観点から評価が可能になる点,定量データのみならず定性的な項目についても評価できる点にある.