抄録
本研究では,科学教育における革新的な教育改革プロジェクト普及時における教師教育のあり方を考察するために,ドイツのChemie im Kontext(以下:CHiK)プロジェクトの共生的実践方略について明らかにした。この共生的実践方略は,新しいカリキュラムと授業実践を結びつけるために,教師が教材開発や導入の際に体系的に関与し,各自の学校での実践が前提となっている。また,Sets と呼ばれる化学教育法専門家,教師とコーディネイターからなる学習共同体を組織し,CHiKのコンセプトを基礎として半学期程度の授業案を開発し実践した。また,乗法的に拡大しCHiK だけに限定されず他の授業刷新にも用いられる。この共生的実践方略の有効性は,1)Sets の取組や組織2)教師の授業実践の変化3)生徒の授業参加の変化4)学習意欲と関心を乗法的な拡大による差異などの視点で調査した結果,認められた。