抄録
福島の原発事故は,科学・技術を発展させ利用してきた人類に,なかでも当事者たる日本人に大きな課題を突きつけている-「原発をどうするのか」。これは大学教育においても無関係ではない。そこで,特に「多角的なものの見方・考え方や知識を習得し,創造的・個性的に生きる上で必要な深い教養を自ら培う」教養教育において,思考力・判断力を高める教材として原発教育を取り入れた。「日本の原発を今後どうするべきか」について学生の認識・考え方をレポート等で調査した結果,レポート提出前に原発の特徴や問題点・課題等を講義で紹介することが,学生の自主的調査・学習活動を促すことにつながり,それによって多くの学生の判断が変容したことがわかった。