日本科学教育学会年会論文集
Online ISSN : 2433-2925
Print ISSN : 2186-3628
ISSN-L : 0913-4476
セッションID: 3G4-E3
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雲の発生についての大学生の認識調査
伊藤 英樹山下 修一
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抄録

本研究は,中学校第2 学年で学習する「雲の発生」について,粒子のモデルを使って生徒の理解を促し,一貫した説明を引き出す授業法を開発する前段階として,大学生(N=56)を対象にした試行授業を行い,その課題となる点を明らかにした.事前調査実施後に雲の発生についての断熱膨張のモデル実験と授業を行い,事後調査に回答させた.事前調査の結果から,大学生の87.5%がLevel 0 であり,断熱膨張の理解に課題があることが分かった.事後調査においては,32 名(57.1%)がLevel 1 以上の説明をすることができるようになっていた.誤答とした説明の分析から,粒子の衝突回数が減ったことにより熱が発生しなくなったと説明した大学生の数にはほとんど変化がなく,粒子のモデルで断熱膨張をとらえたときの課題であると考えられる.中学生に対する授業法の開発を行うときに,この点についての検討が必要であることが分かった.

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© 2015 日本科学教育学会
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