主催: 一般社団法人 日本科学教育学会
会議名: 日本科学教育学会第39回年会 山形大会
開催日: 2015/08/21 - 2015/08/23
本稿の目的は,SSH での数学教育に関わるこれまでの取組が,イノベーティブ人材育成にどの程度寄与してきたのかを明らかにした上で,SSH での成果を一般の高等学校における数学教育の改善につなげるための示唆を得ることである。そのために,SSH での数学教育に関わる事業を調査した結果,SSH 全体から見れば数は少ないが,「課題研究」での優れた取組と成果があり,マス・フェスタ・数学科教員研修会等の事業を含めて,イノベーティブ人材育成に効果的な活動が実施されていることがわかった。結果として,数学オリンピックの受験者数増や好成績にも少なからずよい影響を与えていることが推測された。以上の調査結果を踏まえて,一般の高等学校における数学教育の改善への示唆として,①SSH で重視する「課題研究」を導入する,②生徒研究発表会・教員研修会を推進する,の2 点を得た。