本稿の目的は，ザンビア中等学校教員の理科と数学の関連性に関する認識を浮き彫りにするとともに，理科と数学の概念のつながりの実態を明らかにし，両教科を関連付ける授業を行う上での示唆を得ることである．ザンビア中等学校において，インタビューと概念地図法を用いた調査を行った．その結果，関数概念を含む単元に共通性を見出していることが明らかとなった．一方で，そこでの関連性は共通する文脈による表層的なもので，概念のつながりが各教科内に留まる傾向にあることも明らかとなった．したがって，理科と数学の教員が各教科の理解を深めるとともに，共通する概念によって両教科を関連付ける必要がある．
