p. 363-366
本稿の目的は,減法の文章題に関する解答を,Mayer の文章題解決の過程に即して検討し,解答の特徴から,児童のつまずきなどの原因を検討・考察することである.この結果,次の 2 点が示唆された:①「問題表現(理解過程)」と「問題解決(解決過程)」の行き来ができていない児童の解答は,式 が不適切,答えが適切であり,解答時に葛藤があったと推測される,②「問題表現(理解過程)」と「問 題解決(解決過程)」を相互に関連させられていない児童の解答は,式,答えがともに不適切であり,特 に問題文中の数を用いて立式している解答が多い.