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本研究では,旧制中学校の学科「物理及化学」において使用されていた理化学生徒実験書の特色を明らかにした。まず,当時の理化学生徒実験に対する考えとして棚橋源太郎の著書を分 析し,また,物理と化学のそれぞれにおいて,2通りの比較・分析を行った。以上のことから, 理化学生徒実験書の特色を考察した。その結果,理化学生徒実験書の特色として,生徒が実験に関する記述をすることを重視している点などが明らかとなった。また,物理と化学における 差異として,物理生徒実験書は,より数値や計算,グラフなどの扱いに重点を置いており,化 学生徒実験書は,薬品や器具の取り扱いにより重点を置いていることが明らかとなった。