p. 479-480
今日の急速に変容する社会において,不確定な事象に対する判断力の育成は,一般的に重要 であると考えられる。実際に,世界的な教育動向において,確率や期待値の学習時期は低年齢 化し,その内容は充実の傾向にある。日本においても今後の教育改革等に向けて基礎的な研 究を積み上げておくことは重要であると考えられる。こうしたことから本稿では,児童の期待値理 解に着目し,小学校第6学年を対象に認識調査を行った。その結果,児童が用いる期待値判断 は5つの方略系に分類され,期待値理解は階層的なものであることが示唆された。